3Dプリンタで細かな造形物を出力した際、熱による垂れ・反り等で外壁部がガタガタになることがあります。
以下例
画像はスパイラルギアを印刷した際の出力結果です。
(付着物は噛み合わせ確認時に付いたグリースのため気にしないで下さい)
ABS樹脂、0.2mmノズルで印刷した、直径約14mm程度の小さなものです。
必要に駆られ印刷しましたが、歯がガタガタでこのままでは使い物になりません。
ノズル温度230度、印刷速度内部:30mm/s・外壁:20mm/s程度まで下げて、100均の保温シートでプリンタを覆いましたがそこまでやっても上記写真の結果となりました。
大きく印刷品質に影響したのは以下画像矢印部分の冷却ファンをONにしたときです。
こちらが冷却ファンをONにした時の出力結果です。
冷却ファンの風が当たる右半分がきれいに印刷出来ていることがわかります。
これにより冷却ファンの風が当たる部分は造形が安定することがわかりました、風が当たる部分だけは。
というわけで印刷時に色んな方向から風が当たるようにファンのダクトを変更したいと思います。
一番理想的な形状はフランシス水車のケーシングでしょうか。
個人的なCADの技量の問題でとりあえず3方向から風が出るようなダクトを作ってみました。
ダクトを交換して3方向から冷却した結果、出来上がったものがこちらです。
全方向で画像の通りの印刷品質を確保することが出来ました。
ABS樹脂以外では検証していないためわかりませんが、少なくともABS樹脂で細かな造形を印刷する際は冷却ファンが必要なこと、そして複数方向から風を当てることが重要であることがわかりました。
懸念点としては、印刷したそばから冷却するために積層ピッチ間がどの程度溶着しているか疑問が残ることです。冷却することで積層ピッチ間が剥がれやすくなっているのでは?と考えています。
今回のスパイラルギアについては上記画像からさらに表面をアセトン処理するのでそう簡単に割れないだろうことと、そもそも大きな力がかかる部分ではないためヨシとしました。
<2023/10/13 追記>
モデラボ様にてデータ公開しました。
雑な作りですがご容赦ください。