スズキのアクロス250(GJ75A)という軽二輪クラスの名車に乗っておりますが、スピードメーターの針が振れなくなりました。
たまに走行中に針がゆ~らゆらと0に近づいては元の速度に戻るような症状が出ておりそろそろやばいかなーと思ってたらある時動かなくなりました。
どうせメーターケーブルだろうなと思っていましたが原因は以下のスパイラルギア(ねじ歯車)の摩耗でした。
機械式スピードメーターの多くは、前輪から伸びるメーターケーブルを針の軸に対してまっすぐ差し込みます。
しかしアクロスはなぜか写真のスパイラルギアを用いてメーターケーブルをメーター側面方向から差し込む構造となっています。
今回の故障はこのギアが摩耗により噛み合わなくなったことが原因のようです。
ギアにグリースがわずかに残っていることから潤滑油不足で摩耗が一気に進行したのではと考えていますが、古いバイクなので遅かれ早かれ症状は出たでしょう。
いくつか対処方法を検討しましたが・・・
1.メーターASSYを交換する。
→オークションサイトでも1万超え、メーカー在庫は不明だがあったとしても安くはないだろうと推測。また中古で入手した場合は摩耗状況が不明で再発の可能性も。
2.摩耗したギアのみ取替
→寸法、軸径、ピッチ、歯数、等々の条件が同じギアの市販は見つけられず
3.いっそ電気式メーターが取り付くように改造
→汎用の電気式メーターや機械式から電気信号に変換するアダプタが市販されているため、既存のメーターケースに固定できるようなブラケットさえ作ればいいため一番やりやすそう。ただし水温計やタコメータとデザインが統一出来ない。
色々と検討した結果、とりあえずスパイラルギアを3Dプリンタで印刷して様子を見ることにしました。
というわけでこちらが印刷したスパイラルギアです。
上が既存の摩耗したギア、下が今回印刷したギアです。
なお0.2.mmノズル、ABS樹脂で印刷し表面をアセトン処理しています。
印刷時の注意点は以下の別記事を参照下さい。
メーターケーブルを差し込んでいる一次側のギアは抜けそうになかったので、二次側であるメーター側のギアのみ交換しグリースを塗布して組み込んでみました。
<結果:2023年5月9日>
スピードメーターは無事復活です。ピッチ・歯数は合わせているので以前と変わらない指示値を指してくれています。
針が指示値の付近で若干振動しているように見えましたが、しばらく走って慣らしが終わればマシになるのではと期待しています。
あとはどの程度の耐久力があるかどうか検証します。数十キロで再発するか、数千キロは持つのか、結果が出たら追記したいと思います。
とりあえずは復活したからヨシ。
<追記:2023年6月2日>
一ヶ月経過、200~300kmは走行しました、今のところ異常はないようです。